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ワーグナーとブラームス

筆者だけの偏見なのかも知れないが、クラシック作曲家というと、それだけでどうも骨董品のようなイメージがある。
古いふるーい、人たちのような気がしてしまう。
しかし、ブラームスワーグナーに限って言えば、彼等が活躍したのは日本だと明治維新が実現した頃。
今でも明示生まれの人が生きていることを考えても、そう古い人たちではないのである。

そんな彼等、実はその時代において、ドイツ音楽を背負って立つ2本柱であり、はっきりとライバルであった。
それも、主義主張が真っ向から対立した、ライバルだった。
ところが、興味深いことに、2人の音楽の出発点は、同じベートーヴェンの第9であった。
簡単には(専門家によれば、そんな簡単な話ではあり得ない)第9を管弦楽の手法から掘り下げたのがブラームス
歌詞と、その補助的役割である管弦楽、という手法で掘り下げたのが、ワーグナーなのである。

さて、両作曲家の人と形である。
借金王。
弟子の妻を妻にしたり、パトロンと妻を別居状態にさせたり、スキャンダルの王者のきらい有り。
これがワーグナー
御存知の通り、オペラを山ほど書いている。
自分のオペラのために、劇場を一つ、まるまる作ってしまったほどの念の入れよう。

では、ブラームス
ワーグナーよりちょうど20歳年下。
生まれつき引っ込み思案の頑固者で、さらにとびっきりの完璧主義者でありまして、人に差し上げてしまった作品でも、気に入らなければ取りかえして譜面を焼き捨ててしまうような筋金入り。
1つ目の交響曲を仕上げるのに20年近い年月をかけ、ブラームスの作曲に対する時間の使い方は、並外れていたのである。
ついでに言うなら、ブラームスは史上初めての専業作曲家である。
持てる時間の全てを作曲に費やせた分、他の作曲家よりも仕事がはやくてもしかるべきだと思うのだが。

本日演奏する2曲、譜面づらを比較してみますと、ワーグナーは演出に凝って複雑怪奇(例えば、異なる楽器で同じフレーズを追いかけあう)、ブラームスは和音の組み立てに凝って複雑怪奇(例えば、各種楽器が混じりあって、「上手くいけば」オルガンの音色のように響く)、という印象を受けます。
どちらも複雑怪奇、難しいことに変わりはありませんでした。