Day18 - FIFA WorldCup 2018 RUSSIA
ベスト16
ブラジル(w2d1) 2-0 メキシコ(w2l1) ☆☆☆(ハイライトで十分)
既に終わっているトーナメント1回戦4試合を見ると、1次リーグでの勝敗数(勝ち点)が上回っている方が必ず勝っています。
その流れで行くと、ブラジルの勝ちと思われるこの試合。
でも、試合前からなんとなく変な予感があるんです。
ブラジル、勝ったとしてもPKまでもつれるんじゃなかろうか。
90分で勝敗つくとしたら、メキシコが勝つんじゃなかろうか。
勝ち抜け決まった時のブラジルの感極まり様が、ブラジル終わっちゃったような気にさせるんだよなあ。
でも、試合が終わってみると、終わっていたのはメキシコでした。。
ブラジル、勝ちはしましたけれど、トーナメントに入った割にはそこまで脅威を感じませんでした。
この程度じゃないと思うんですが、格下相手に本気を出さないようにしている?
ブラジルが守ったというより、メキシコがパスの精度だったり、意思の疎通だったり、といったところで自滅していった試合でした。
メキシコのGKミッキーマウス・オチョアが幾度となくブラジルのシュートを阻んでいましたが、攻撃がアレでは。。
カウンターに行ける場面で走らないし、どういう試合にしたかったんだろうか、メキシコ。。
得点の気配を感じたのは、前半の前半の、さらに前半、要するに立ち上がり数分だけだったなあ。
残念。
ベルギー(w3) 3-2 日本(w1d1l1) ★★★(名勝負・迷勝負)
ポーランド戦評
ポーランド戦にはいろんな評価があります。
勝ち残るためによくぞ決断した!名将!という評価と、スポーツマンシップに悖る行為、という批判が主流でしょうか。
僕は前者の評価は勘違いだと思っています。
今大会の一次リーグ、ポーランド戦まで全44試合で、前後半それぞれの40分以降(要するに前後半終了間際)に何点入ったか知っていますか?
ざっと数えて31点です。
これは、一次リーグ全122得点の25%にあたります。
全体の4分の1の得点が、前後半終了たった5分の間にスコアされているんです(ロスタイムもあるけど)。
そして、今大会の下克上が、コロンビアを倒した日本、ドイツを食った韓国に代表される通り数多いことは、コロンビアに勝った当の日本にはよくわかっていたはず。
後半ロスタイムにセネガルがコロンビアに追いつく可能性は統計的にみても十分にあったし、その「最大のリスク」を前提に考えたとき、日本は絶対に引き分け以上にする必要がありました。
それを放棄した西野監督は、英断をしたんじゃない。
運を天に任せて、試合を投げ出したんです。
だから、僕は、怒っています。
なぜ、ドーハ以降、散々ロスタイムに一喜一憂してきた日本の監督が、終わってもいない他試合の結果に全てを委ねて、指揮を放棄するのか。
あの戦略を取っても良いのは、セネガル戦が既に終わっていた場合と、コロンビアが2点差つけて勝っている場合だけです。
その消極的すぎる試合放棄を英断とかいっているから、
目先のことしか見てない評価ばっかりだから、
日本はいつまでたっても「奇跡」でしかコロンビアに勝てないのです。
ベルギー戦評
ところがまあ、我ながら、ゲンキンなものだな、と呆れています(笑)
試合開始前、僕は不安で不安で仕方がありませんでした。
日本代表が、優勝候補の一角、ベルギーと対戦する。
勝てないことは、怖くない。むしろ十中八九勝てない相手。負けて当然。
それよりもやはり、よぎるのはポーランド戦最後の10分間。
ガチガチに引いて、ボール回してPK戦、そんな狙いで来たら、どうしよう。
これから数年、世界に顔向けできない。
でも、そんな心配は無用でした。
なるほど、これがJリーグで歴代最も成績の良い監督ですか。
テストマッチ3試合で選手に勝つ気を取り戻させた監督は、ベルギー相手でも90分でキッチリ勝つためのゲームプランを考えていました。
お見それしました。
ポーランド戦最後の10分はいまだに納得がいきませんが、それでも、すごい監督だったんだと思い知らされました。
今日の日本代表だったら、これからも観ていたい。
このチームの試合を、もっと観たい。
できることならば、この監督に、
もう4年、続投してみてもらいたい。
日本代表がどこまでいけるか、それを見せて欲しい。
ベルギー戦を振り返る
とにかく辛抱の試合でした。
が、直前に行われた退屈なブラジル-メキシコ戦と違って、ヒリヒリするような真剣勝負。
火花散る鍔迫り合い。
ベルギーの凶悪なアタッカー陣を、封じ込め、ブロックし、考えうるありとあらゆる手段と、持てる体力の全てを使って抑え込む。
前半は、しんどかったことでしょう。
後半立ち上がり早々、最終ラインから始まった日本のカウンターには、本当に驚かされました。センターラインの柴崎から供給された長いスルーパスは、ベルギーディフェンスも触ってコースを変えるのがやっと。
長い距離を走ってきた原口がこれをワンタッチでゴール逆すみギリギリに決めて先制。
似たようなカウンターが、実は前半30分過ぎにもありました。
この時は浮き玉で守備の裏を狙うパスでしたが、乾が攻めあぐねてカウンター失敗。
その時に思ったのです。
やっぱり日本にはまだ、カウンターを1人で決め切る選手はいないんだな、と。
ところが後半の先制点は、まさにカウンターを1人で決めきったシーンでした。
こんなサッカーを、日本ができるようになっていたのか。
正直、とてつもなく驚きました。
直後、ペナルティエリアすぐ外でキープした香川から、少し下がったポジションにいた乾に落としてミドルシュート。
ベルギーの守備の油断を誘った香川のクレバーさと、乾の持つ技術の高さから生まれたゴールでした。
もしリプレイを見る機会があったら、ベルギー最終ラインのディフェンダー2人に注目してみてください。
香川が後ろにボールを戻した瞬間、この2人は油断して棒立ちになります。
次の瞬間、この2人が守るのをやめたコースを、乾が打ち抜いたんです。
色々詰まった、凄いゴールでした。
ですがサッカーは、2-0からの逆転試合が本当に多いのです。
我が家でも、観戦しながらまさにそんな話をしていました。
だから、日本は3点目を決めきらなきゃいけない。
後半20分過ぎからは、前半同様辛抱の時間でしたが、日本の体力もギリギリなように感じられました。
それでも、その後立て続けに奪われた2点はどちらもセットプレーからの流れ。
高さをうまく使われた形で、日本の守備が破綻していたわけではありませんでした。
いつも体力やフィジカルを負けのスケープゴートにされ続けて来た日本としては、これは凄いことだと思います。
後半ロスタイム、2-2の状況で本田が蹴ったフリーキック。
長い距離を、しっかり強くゴールの枠に飛ばす精神力は、さすがでした。
そこから得たコーナーキックを、ベルギーキーパーがキャッチした時に、日本は命運尽きました。
やはり、何としても3点目はとっておかなくてはいけなかった。
カウンターからルカクを囮にされて失点。
それにしても、やはり、ロスタイム。