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酒と旅行と音楽と、そのほかサッカー、映画に、あれやこれや♪(´ε` )好きなものをひたすら語ります。

シベリウス:交響曲 第2番

シベリウスロシア帝国支配下の、国など存在しないフィンランドに生まれた。
レジスタンスはそれなりに活動していたらしいけれど、まだあんまり「独立!」って感じじゃない時代かな。

ヨーロッパの人たちは国境がコロコロ変わる分、「祖国」に対して思い入れが強い気がする。
スメタナの「我が祖国」なんてモロだし。
そういう人たちが住むヨーロッパで「愛国交響曲」と呼ばれて親しまれているのが、このシベ2。

第1楽章

シベリウス本人が「これはフィンランドの風景を描きました」と言った通り、極めて牧歌的かつ田園的。
連想させられるのは、陽に輝く蒼穹とか、丘陵みたいな「青」と「緑」。
それと張りつめた鋭い空気。
地面の下はもれなく氷、みたいな凄絶な冷たさを感じるけれど、ロシア人の作曲家の持つ暗くて卑屈な身も凍る冷たさとは違って、なんかキラキラした冷たさが印象的。
ロシア人(てゆーかチャイコ)のは**(転載時注:個人名につき割愛)ギャグが炸裂したときのような寒さ。
あと、田園的でも、ドヴォルジャークみたいに泥臭くない(芋臭くない)のは土の下が氷だからか?

第2楽章

ロシア帝国の圧政、圧政、圧政。
みんな「あーもういや」と思いつつ、何ともしようが無いやるせなさ。
暗くて、みじめで、すっごくフラストレーションが溜まっているんだけれど、独立運動はなかなか進展しないし、このまま死ぬまでロシア帝国なのかなぁ。
という「憧れ」みたいなものを民謡風のフレーズに閉じ込めた。
この楽章だけで式典などでも奏される「愛国交響曲」の真骨頂。

第3楽章

少しだけ世の中に明るさが見えてきた。
独立できるかも知れないという気運が国民に拡がる。
どーでもいーが、この楽章のオーボエ、フルート・ソロの後のチェロおいしすぎ。
甘く哀しく、切なく。
解放!
解放!!
ロシア政府なんていらねぇ。

第4楽章

「独立宣言」
怒涛のように3楽章から流れ込む。
フィンランドは国家として独立を果たし、国民はみんな諸手を挙げてバンザイ三唱。
うれしーい。
でも、冷たい国の人たちだから、ヨロコビ方もちょっぴりクール。
少ししたら熱狂的な雰囲気もしだいに冷めて、沸々と本当のヨロコビが沸き上がってくる。
でもやっぱりうれしーい、ともう一度盛り上がってクライマックスを迎えるのでした。