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酒と旅行と音楽と、そのほかサッカー、映画に、あれやこれや♪(´ε` )好きなものをひたすら語ります。

つれづれ、のちょっとつづき -FIFA WorldCup 2006 Germany

伊達公子シュテフィ・グラフの試合は、東レパンパシフィックとかじゃなくて、96年のフェドカップだった。
週末、たまたまケーブルテレビを見ていたら、再放送をやっていて、ついつい丸一試合観てしまった。3時間10分。
何度見ても、すごい試合だ。

女子のテニスは3セットマッチで、2セット先取勝利なわけだけれど、各セットは2ゲーム差を付けて6ゲーム先取した方が勝ちになる(あってる?)。で、どちらも6ゲームをとったら、13ゲーム目は普通の点のカウントではなくなる。ここについてはよく判らない。ただ、3セット目はこの13ゲーム目というルールはなくて、ひたすら2ゲーム差がつくまで終わらない。

要するにまぁ、女子の試合は最短12ゲームで終わりなわけ。ところが、この伊達とグラフの試合は、(7-6)(4-6)(12-10)と、全部で45ゲーム、最短だったら4試合弱分に相当する試合をやってのけている。
ドイツ人のグラフに、日本人の伊達が、ですよ。

試合が終わる頃には、両者満身創痍で、きっと伊達の方がグラフよりも「絶対勝つ」という覚悟が強かったんだろうな、とつくづく思わされる試合だった。

さてさて、ブラジル、負けましたね。優勝候補ブラジル。史上最強のブラジル。

僕も、当初は優勝するのはブラジルかドイツだと思っていました。それくらい、ブラジルには穴が見当たらなかった。
もちろん守備が穴と言えば穴だったけれど、3点取られたら、4点返せる攻撃力があるチームだから、穴という表現はぴったりこない。

かたや、フランスは大会前から満身創痍だった。どこかの社会のように、高齢化が進む選手層。若返りへの過渡期で、ベテランと若手の連携がいまいち噛み合ない。
大会が始まっても、状態は好転せず、ぎりぎりの所で1次リーグを突破する有様。そもそも、決勝トーナメントでもブラジルはおろか、本当はスペインにすら勝てるはずが無かったチームだ。

でも、フランスはやらかした。客観的に見て、スペイン戦もブラジル戦も、大金星だ。
なぜフランスは勝てたんだろうか。

ワールドカップになると調子が出ないスペインはともかく、ブラジルは、少なくとも3大会連続で決勝に残り、そのうちの2大会で優勝したチームだ。今大会でも優勝候補筆頭だったことを考えると、実に16年間世界のトップの座に君臨していたことになる。
なぜフランスは勝てたのか。

その1つの答えが、「負ける怖さを知っている」ことだったように感じる。
フランスは、前回の日韓大会に、チャンピオンとして登場し、1点も取れずに1次リーグで敗退した。
今大会のフランスを支えたのは、チャンピオンズリーグ決勝で、ブラジルのロナウジーニョ率いるバルセロナに破れた、アーセナルのエースであるアンリと、スペインの国内リーグで、世界最強と言われながらバルセロナに2連覇を喫したレアル・マドリーの柱、ジダンである。

ブラジルは、1点を追う後半の後半、確実にパニックに陥っていた。
負けた経験が極端に少ないために、「負けそうな状況」というものに対するリスクマネジメントが、疎かになっていたように感じた。だからこそ、パニックに陥っていたのだろう。
落ち着いて1点取ればいい状況で、落ち着くことができず、自ら自滅していくブラジル。

彼らを見ていて、何かを思い出した。

そう、オーストラリアと対戦したときの、日本代表にそっくりだ。
確かに勝ちが望ましい試合ではあったが、負けるリスクを冒すなら、引き分けでも良かった。なのに、ピッチはパニックに襲われていた。ベンチも含めて。

まさかブラジルに、日本の姿を見るとは思わなかった。でも、確信がある。
4年後、この負けを糧に、ブラジルは、とんでもねーチームになって、帰ってくるよ。
日本と違ってね。