Day16 - FIFA WorldCup 2018 RUSSIA
ベスト16
フランス(w2d1) 4-3 アルゼンチン(w1d1l1) ☆☆☆(ハイライトで十分)
いいですよ。不貞腐れてないで、ちゃんと書きますよ。
ふんっ( ´Д`)y━・~~
なんとは無しに、
フランスが立て続けにゴールを決めて2-3になったあたりでふと思ったのです。
千代の富士が貴花田に敗れて引退した試合を。
W杯は今大会で21回目ですが、優勝経験国は全部で8カ国しかいません。
その優勝経験国が、今大会始めての直接対決となった試合でした。
前大会は3チーム優勝経験国なグループもあったりしたので、今大会は全然ゆるいです。
波乱といえば、日本が勝ち残っていることぐらいです。
そんな中、ついに優勝経験国同士が相まみえました。
前半早々。フランスのカウンターでアルゼンチンはなすすべなくPKを献上します。
それほど、フランス#10エンバペのスピードは圧倒的でした。
これは、4-0くらいで負けるんじゃないか、と思わされるほどに。
アルゼンチンの守備はここ15年ほど安定しません。
スピードもないし、組織的な守備も苦手だし、かと言ってかつてのサムエルやアヤラやサネッティといったカリスマ性のあるディフェンダーも育っていない。
毎大会、プライドだけで南米予選を勝ち上がり、本大会の一次リーグを突破しています。
ある意味、大したものだと高く評価しています。
だから、今大会の一次リーグ突破も、疑いませんでした。
ですが、アフリカ系のフランス人エンバペの、物理的なスピードには、ちょっと太刀打ちするのは困難に思われました。
最初のカウンターを防いだロホのファウルはエリアの外にも思われましたが、それでもPKはPK。
どうしようもないエンバペのスピードに、アルゼンチンはあっさりと先制点を奪われます。
正直、前半15分くらいの段階では、これで終わりかな、と終わりました。
特に、メッシを活かす頼みの綱であるディ・マリアが、開始早々2度ほど不可思議なプレーでボールを失っていたことも、不安材料でした。
ディ・マリア、調子悪い?
ところが前半終了直前、その不調に見えて、前半まったく姿を現さなかったディ・マリアが、強烈なミドルシュートを決めます。
ほとんど助走ない状態でエリア外から放たれたシュートは、猛烈な勢いでフランスゴールネットを揺らします。
びっくりしました。
しかも前半の半分くらいからはアルゼンチンも守り方を変えていたので、エンバペのスピードに脅かされることもなくなっていました。
これは、ひょっとしたら行けるかもしれない。
前半は1-1。
エンバペ1人を抑えるのに守備2人がイエローカード1枚ずつ。
ちょっと不安材料です。
後半開始早々、その不安を振り切るように、アルゼンチンが勝ち越し点を決めます。
コーナーキックからメッシのシュートをアルゼンチンDFメルカドがコースを変えて(避けようとして当たっちゃった感じがするwww)ゴール。
F1-2A。
さらにその後の数プレー、フランスがちょっと浮き足立ったプレーを続けてくれたものだから、このままいけるかもしれない、とちょっと期待してしまいました。
なんせ、一次リーグで感じたのは、フランスのチームとしての若さでした。
勢いに乗ればガンガンいけるけれど、不安な場面になると覿面もろさを露呈する。
これは、アルゼンチンいけるんじゃないか。
ところがどっこい。
アルゼンチンの勝ち越しから10分後、センターラインからロングボールをつないで、たった3タッチでフランスの得点が決まります。
あれは、本当に見事なゴールでした。
敵ながら、あっぱれです。
アルゼンチンの守備やキーパーには、ノーチャンスだったと思います。
あぁいうのが決まると、チームってノるんですよねぇ。。
後半20分過ぎのゴールでした。
この時、すごいゴールだな、と思うと同時に、このゴールにエンバペが絡んでいなかったことが妙に気になりました。
というか、この30分近く、ほとんど姿を消しています。
後半終了間際まで温存しているのか、本当に「終わってしまった」のか。
何れにしても、姿を消しているエンバペが気持ち悪い。。
と思っていた矢先。
そこからの10分間は地獄でした。
特に、アルゼンチンが中盤の選手を下げて、フォワードを投入したシーン。
この瞬間、アルゼンチンは完全にバランスを崩しました。
結局、エンバペが巧さとスピードを活かして立て続けに2点。
後半ロスタイムにメッシからのアーリークロスをアグエロが押し込みましたが、時すでに遅し。
4-3でアルゼンチンは敗退したのでした。。
ハイライトも見直して思いましたが、フランスの2点目、3点目はキーパーが違ったらひょっとしたら止められたかもな。。
それも含めて、4大会に渡ったアルゼンチンの、リオネル・メッシの、チャレンジが終わりました。
円熟した史上最高のフットボーラ「リオネル・メッシ」は、若きフランスのスピードスター、10代の「キリアン・エンバペ」に引導を渡されたのです。
残念ですが、これが今のサッカー。
仕方が、ありません。
ウルグアイ(w3) 2-1 ポルトガル(w1d2) ★★★(名勝負・迷勝負)
決勝トーナメント1回戦の初日は、象徴的な2試合だったと思います
現代サッカーにおいては、史上最高の選手を抱えていても、チームが1.5流だと勝てない。
そういう、2試合です。
ウルグアイは、強かった。
本当に、強かった。
この国にはスアレス、カヴァーニ、2人の史上最高ではないけれど、超一流フォワードがいます。
がしかし、今日の試合で目立ったのは、チームメイト達の安定した守備でした。
ポルトガルには言わずと知れた現代サッカーの英雄、史上最高の選手の1人、クリスティアーノ・ロナウドが居ます。
マンチェスター・ユナイテッドで、あのベッカムの#7を注いだ男。
ベッカム同様その後レアル・マドリーに移籍し、ベッカムと違ってレアル・マドリーが頂点に立つ原動力として君臨し続ける男。
そんな男をもってしても、ポルトガル代表ではW杯の頂点には立てません。
アルゼンチン代表では頂点に立てないリオネル・メッシと同じように。
これは、現代サッカーが「ちゃんとしたレベルの試合では1人じゃなんともできない」ことに起因していると思います。
おそらく、かつてのマラドーナやフランツ・ベッケンバウアー、ミシェル・プラティニも、今のサッカー界でW杯を掲げることはできないでしょう。
(プラティニはそもそもW杯を掲げてないけれど)
チームメイトも同時に強いか、チームメイトを強くすることができないと、今のサッカーでは勝てないのです。
ヨハン・クライフだけは、ひょっとしたら「チーム」を優先した戦術眼を持っていた選手だから、可能性があるかもしれません。
そこまで、現代サッカーでは「チーム」が大事になっています。
1人の英雄では、なんともならない。
ウルグアイはそういった意味で、チームとして成熟していると思います。
バランスのとれたストライカー2人。
得点は2人だけでも奪えます。
現に、この試合の1点目は、ピッチの横幅を最大限に活用した、とてつもなくスケールのでかいワンツーパスでした。
その他の選手は、徹底的にゲームを作ります。
守備、攻撃に、走り回ることに労を厭うことはありません。
引きっぱなしというわけでもないし、相手を削るようなファウルもほぼない。
クリーンに、激しく、徹底的に守る。
全ての選手が献身的に見えました。
このチームは、強いです。
C.ロナウドにも、ほとんど仕事をさせませんでした。
これは、次のフランス戦もひょっとすると若いフランス攻撃陣を抑えきるんじゃないかと思ってしまいます。
これで、現代サッカーが生んだ2人の伝説が敗退しました。
ここからが、本当の意味でのW杯です。
面白く、なってきました。